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方針と戦略を混同する無かれ

2013年10月25日

「方針」と「戦略」の違いが説明出来ますか?
これから「なるべく毎日」、作者の感じる「経営論」を書きたいと思います。毎日書けるか、どこまで続くかわかりませんが、頑張りたいと思います。と、まずは決意表明。 さて、突然ですが皆さんは「戦略」と「方針」の明確な違いを語れますか?この2つ、何となくわかっているようで、いざ改まって聞かれると違いを答えるのが非常に難しいですよね。「戦略論」というものはちまたで良く見かけますが、「方針論」なるものは見たことがないのでは。 私が思う、両社の違いは次の通りです。 ●戦略 : 合理的に検討を加えると答えの出るもの ●方針 : 検討しても答えが出る訳ではなく、意思や思いで決め打ちするもの ちなみに「戦略」については、他にも色んな切り口での説明が有り得ます。今回の私の「戦略」の定義はあくまでも「方針」との違いを明確にするために書いているだけですので、その点は誤解なきよう・・・。 来月号のThink!の原稿にも書いているのですが、「わからない」には3つあります。 1)何がわからないかわからないから、わからない 2)情報不足だからわからない 3)決めの問題だからわからない 1)というのは、アタマが混乱している状態で、これは「何がわからないか整理されていない」、つまりロジックが出来ていない状態です。2)は、ロジックが出来て整理はされているのですが、ファクトが無いのでわからないという状態です。この2つでつまづいている状態は「戦略」でつまづいている状態で、合理的に情報を集めて論理を構築すれば、答えが出ます。 ところが3)の状態というのは、「先のことは誰にもわからない」「検討した結果五分五分でどっちでも良い」というものであり、これ以上幾ら合理的に検討をしても答えは出ません。これが「方針ごとの世界」です。 企業経営において、「方針」と「戦略」がしばしば混同されているのを見ます。どっちをどっちに取り違えてもあまり宜しくないものです。 ■「方針ごと」を「戦略」だと混同すると・・・ 「先のことはわからない」のに、「どれだけ検討しても結果は五分五分で似たようなもの」なのに、「もっと情報を集めよ」「もっと考えろ」「そうすれば戦略が出来るはずだ」ということで検討を延々とさせつづけてしまいます。その結果、意思決定が遅れて、物事が成し遂げられなかったりします。 ■「戦略」を「方針ごと」だと混同すると・・・ こちらは逆に、「もっと検討すれば合理的な答えが出た」のに、「こんなのは決めてしまえばいいんだ!」と言って、安易な検討で決め打ちしてしまい、結果として不適切な行動を起こしてしまったりします。 「戦略を考える」と「方針を決める」は、双方がバランスして始めて適切な行動に繋がります。企業経営においても、いつまでも「企画/精査」で決めないのも問題ですが、あまり検討せずに「方針で決めたからやれ」というのもまた問題です。企画屋にしても、「検討して戦略を作るべき所」で「こんなのはトップの方針の問題だ」と逃げてしまうのも良くないですが、「決めの問題だから、それ以上検討しても仕方が無い所」で延々とハマっていても宜しくない。 このバランスを取るのは非常に難しいですが、とても重要です。日常生活においても同じこと。私はよく「どこまで考えてどこから走るか」という表現をしているのですが、私自身は3割考えて7割走っています。その割合は、どこまで「成功に自信が持てるか」、「リスクを取って決断するか」、「速さが求められているか」・・・など、色んな要素で変わって来ます。 方針と戦略の違い。意識してみて下さい^^