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コンサル結果の10年後

2013年10月25日

つい最近、前職のマブチに訪問しました。気付けば退職して既に6年。コンサルタントとして初めてお世話になったのは2001年だから、もう10年も前のことです。「その後」について色々と話をしました。
皆さん こんばんは、外資コンサル.com作者の高田です。つい先日、私の前職の上司が取締役に就任されたということでご挨拶兼々、久々に訪問しました。社長にもご同席を頂き30分ほどお時間を頂戴して色々とお話しをさせて頂いた後、当時の経営企画メンバーの皆さんと懐かしの社食で食事をしました。 思えば起業して、もう6年も経ってます。マブチを辞めてからも同じぐらい。BCGにいたのも2005年頃だから、気付けばもう6年前?ADLにいたのは2002年頃までだから、恐ろしいことに10年経っています! この掲示板は1998年に立ちあげたから、もう14年も存在しているし・・・。時の経つのが速くて本当に恐ろしいですね(^_^;) でも最近、トシを取ってきたお陰で?周囲の皆様がとても出世してきました・・・。ADL時代のクライアントの場合は、でも実はもう出世を通り越して定年退職されてしまう方が増えてます。。。元クライアントでバリバリ仕事されていた方が、定年退職されるのを見るのは何ともいえない気持ちになりますね。あ、そうそう。私がアナリストだった頃のパートナークラスの人たちも、定年退職し始めています。いやー、コンサルタントが「定年退職」する時代になったって、凄いことですよね。。。 マブチの時の経営企画の同僚の皆さんも、ほぼ全員が部長、部長補佐、マネジャー、などなどご出世されて役職に付かれておりまして、いやはや時代の変遷を感じた次第です。 --- で、元同僚の皆さんとランチしながらあれこれと話をしていたのですが、何と言っても嬉しかったのが、僕が若手コンサルだった頃に頭をひねってひねって提案した、とある事業が遂に売上高100億円を突破したというのです! 今の全社売上高に占める割合は15%近くまで上がっていて、皆さんが「この事業がなかったらうちの会社やばかったよホント」と仰っていました。 もちろん、僕は最初にコンサルとして提案しただけ。でもその後は社員として3年ほどお世話になっていますから、この10年の歳月をかけて、この事業を100億円まで育てて来られた社員の皆さんの顔が思い浮かぶし、全員の不断の努力があって、その後のあんな苦労、こんな苦労を乗り越えて、ここまで来たんだなぁと感無量だったりします。 部品の品質が安定しなくて、日本で作った部品をエアで(飛行機で)飛ばしていた時期もあったなぁとか。台湾拠点が独自に頑張って作った製品があって、それを廃盤にするのかどうかとか話したけど、結局中国市場が思った以上に伸びて、台湾の活躍があって今の100億円があるんだろうなぁとか。ヨーロッパの大手顧客に食い込むために、あの人がとても苦労して、営業したり接待したり、本当に大変そうだったなぁとか。そんなこんなを思い出しながら、「100億達成」の意味を噛みしめていました。 --- 戦略コンサル、か・・・。 まぁ確かに戦略を考えましたね。あれやこれやと環境分析をして。競合他社にもインタビューをして。色んなターゲット市場を考え、最後は製品ロードマップまで作りました。そして戦略を提案しました。その後は組織が出来て、人がアサインされて、そして紆余曲折があって提案した事業は100億円にまで育った。 これってでも、戦略コンサルの付加価値なのかな??? やっぱり、もちろん着眼そのものや方向付けも大事なんだろうけど、その後にその方向に向かって真面目に頑張った皆さんの力があって、事業って成り立ってる気がします。僕は少なくとも社員だった時は、その事業の立ち上げメンバーではなかったし、寧ろ経営企画という立場で色々と管理したり意見したりしようとして、逆に迷惑かけたなと反省したりもしているぐらいで。社員だった時はあんまり付加価値出してない自覚があります。 でもコンサルとしての、自分の付加価値は確かに少しはあったと思う。でもそれって、どのぐらいの大きさだったのかな。 戦略コンサルって、不思議な仕事ですね。今にして思うと不思議な感覚。 今はベンチャーやってますから、提案もする。でも実行もする。あれもこれも自分でやる。やってる中で方向修正もしながら、最初と全然違うことをやっていたりして。でも結果オーライだったりもするし。 そういう意味では、走りながら軌道修正出来る事業会社の仕事って、やりやすいのかな。コンサルの仕事は走りながら軌道修正出来ないもんね。渾身の力をこめて一発提案し、それがその後10年にわたって実行され続ける・・・みたいな世界って、普通じゃないんだろうなぁ。 だからこそファクトやらロジックやらが鍛えられるんだろうし、提案力が身につくんだろうし。それはそれで、今の仕事でその能力は役立っている気もします。。。 --- でも前に書いたかもしれないけど、同じ10年前に提案した事業でも、久々にクライアントに会ってお話しをしていたら「この前最後の撤退作業を完了しました。あれはいい勉強になりましたよ・・・」ということで、完全に撤退しちゃったような事業もあったり。 また提案はしたけど、その後なーんも反映されていないようなプロジェクトもあったり。 千差万別です。 結果的にはでも、僕はいいプロジェクトに恵まれた気がしています。こうやって10年経って振り返っても、「役に立っただろうな」と思えるものがあるから。 --- 話は変わりますけど、マブチでまたメーカー魂をくすぐられるような気持ちいい話を聞いたので1つ。 当時からとっても売れていたモータがありまして、その1機種で全生産数量の1割ぐらい(2億個!とか)になる、すんごい機種があるんです。用途とか製品名は伏せておきますが。 設計されたのは既に30年以上前。僕がいた時で、確か売価が○十円。10円玉が数枚で買えちゃうぐらいの安さでした。 その当時、もう価格競争が本当に激しくて、中国メーカーがとても安いものを出してきていて、さてどうしたものか・・・この機種ももうダメか・・・などと話をしていたのですが、5年経った今でもその機種はバリバリ顕在!!! さらにコストダウンされているらしく、もう目玉が飛び出すぐらい安い価格になってるみたいで、それでもまだ2億個とか3億個とか売れてるって話でした。 恐るべし標準化戦略。 大量生産万歳! コストダウン万歳! --- どっかにも書いたかもしれませんが、個人的にはこの「マブチ発想」がとてもとても身に染みこんでいて、標準化戦略、コストダウンはホントに大好きなんです。 日本メーカーなのに、大陸系中国企業と価格で戦えていて、しかも利益も出ているって、ホントすごいなぁと改めて思いました。 30年も前に設計したモータが、未だに売れているって、とても素敵な話だと思いませんか?それだけ普遍的、それだけ汎用的なものだということです。30年間も変わらないニーズって、なかなか無いと思う。これぞプロダクトアウトの真骨頂。 そういえばトヨタも問題解決研修の原型は46年前から変わらないと話してましたけども。うちの会社も、30年、40年、変わらないものを提供したいなぁと、改めて思った今日この頃でした。 --- 相変わらずまとまりない文章でした。すんません。では!