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コンサルタントの業務量と給料

2013年10月25日

「コンサルタントってどのぐらい忙しいんですか?」「ぶっちゃけお給料は良いのですか?」毎年必ず聞かれるこの問いに、当たり障りない範囲でお応えしておきます。
あまり詳細に書くと物議を醸しそうですので、あくまでも「一般論」として開示出来る範囲で書いておきます。詳細は業界の人に聞いて下さいね(^^) ●コンサルタントの業務量 <ジュニア> アナリスト、コンサルタント(新卒・中途問わず) :  [平日] 普段、繁忙期、閑散期に分けて解説します。 ◇普段 (3ヶ月中の2ヶ月ぐらい) 平日はだいたい、朝10時から夜中12時ぐらいまで働いて、終電ぐらいで帰るのが普通です。朝は概して遅めではありますが、クライアント先に直行していたり、クライアントとMTGがあったりする場合には8時ぐらいから仕事をすることもあります。 ◇繁忙期 (3ヶ月中の1ヶ月弱) 忙しい時期には ・週5日、夜中の3時ぐらいにタクシー帰り ・週2~3日、朝まで仕事して風呂だけ入ってとんぼ返りで出社 ・週2~3日、会社で寝泊まり ということも珍しくありません。こういう多忙な時期は、布団でゆっくり寝てしまうとテンションが下がるために、敢えて机で寝たり電車で寝たりして、仕事モードを維持することがあります。笑ったのが、結構みんな「お風呂で寝る」ってやるんですよね。お風呂で寝ると温度が下がってくるので、どんな疲れていても必ず1時間弱で目が覚めるんです。(勿論、出る前には風邪を引かないように再度温かいシャワーをしてから出ますが)凄く忙しい時期は私は「お風呂で寝る」を多用していたのですが、私だけではなく、業界の若者はみんなやっているようです。 ◇閑散期 (3ヶ月に数日) プロジェクトの合間、報告会の直後、などにほんの数日間だけ「閑散期」が訪れることがあります。運が悪いと次の仕事に入れられて訪れないこともあります。この時には、お昼の2時ぐらいに出社したり、夕方4時ぐらいに退社したりと好き放題出来ます。「仕事が無い時は休んで良し」が業界の常識です。やることがあまりないけれど一応会社に居る、みたいな必要はありません。が、こういう局面は殆ど無いので期待せぬよう。。。 ちなみに、「じゃあどうやって友達と飲みに行ったり、合コンしたりするのか?」という質問も良く頂きます。これは「仕事が終わらないと飲みに行ったり合コンしたりしない」という前提が間違っていまして、コンサルタントは「仕事の途中に抜け出して飲みに行ったり合コンをしたり」します。どうせ仕事は終わらないので、19時ぐらいに「抜け出して」飲みに行き、ウーロン茶で2時間過ごした後、21時ぐらいに「じゃ、俺そろそろオフィス戻るわ」と行って席を立ちます。2時に終わる仕事が4時になってもあんまり変わりませんからね・・・。 [休日] 忙しさのレベルが幾つかに分かれますので、それで説明します。 ◇「完全フリー」 (3ヶ月に1~2日) 身も心も完全に仕事から解放され、心おきなく休める休日。こんな日が訪れるのは3ヶ月に一度あるかないか・・・です。最終報告の後、ぐらいでしょうか。 ◇「身体だけフリー」 (月に1~2日) 身体は仕事から解放されて遊んではいるものの、心の中では仕事がずーっと気になっているという状態。これは月に1~2日。恋人とデートしたり友達と遊んだりしていますが、アタマの中で考え事をして上の空、という状態。結構悲しいです。 ◇「身体は家にある」 (月に半分弱) 仕事をしてはいるものの、自宅に居るという状態です。一応、恋人や家族と物理的に近くに居られるだけマシではありますが、仕事をしていることに代わりはありません。 ◇「会社に居る」 (月に半分) 結局、休日なのに会社に行って仕事をしているという状態。なんだかんだ言って、これが一番多かった気がします。デフォルトで週7日労働でスケジュールが組まれますから、元々「休日」という概念は無いんですよね。労働組合でも作ろうか、なんて冗談を言っていた時期もありますが、そんなことを考えるヒマさえ無かったような。 <マネジャークラス> マネジャー、シニアマネジャーぐらい :  基本的に「クライアントに対して、プロジェクトを回す責任を負う」という役回りですから、仕事内容や忙しさは上記のアナリスト・コンサルタントとそんなに大差はありません。ただ大きく違うのは「予定のコントロールが自分で出来る」ということです。仕事のピークを自分で好きな時期に動かすことが出来るために、アナリストやコンサルタント程に仕事に「追われる」という感じにはなりません。あと時間の使い方も、「何か1つの作業(分析だとか云々)に没頭する」のではなく、客先やら色んなメンバーをコーディネートしたり調整したりして、「仕事をやらせる」ことが主業務となりますので、「夜中まで延々と作業に没頭する」ような時間の使い方にはなりません。 ただ、プロジェクトが上手く行かない時はそうも言ってられませんから、マネジャーが自らエクセルで分析したりパワポで資料作ったりしますので、結局はアナリストやコンサルタントとそんなに忙しさの水準は変わらない気がします。。。 <シニアクラス> パートナー、ディレクターぐらい : この人たちは基本的に「プロジェクトを売る」のがお仕事です。クライアントに対して売ったプロジェクトの「品質保証」をするという役目もありますが、基本的には「売る」ための活動をしています。「売る」のは相手が居ますし相手のタイミング、意思決定の速さもありますから、自分がゴリゴリと働いたからといって売れるものではありません。ということもあって、普段はシニアの人々は比較的余裕のある生活を送っているように、見えます。 但し、これはあくまでも「マネジャーがしっかりとしている」という前提です。マネジャーがしっかりしていない場合は、自分が売ったプロジェクトが上手く回らず、その品質責任を問われることになりますから、結局はマネジャーのように時間を使って働くことになります。 ●コンサルタントの給料 はっきり言って、ファームによって差がありますし、同じファームの中でも個人の能力によってかなり差が出ますから、一概には言えません。上がり方も、プロモーションするまでは全く昇進無しというファームもあれば、同じ階級でも年次で少しずつ昇給するファームもあり、千差万別です。だいたいこのぐらい、ということでご理解下さい。 <ジュニア> 新卒アナリスト        500~600万円ぐらい 一人前になったアナリスト   600~800万円ぐらい ※アナリスト2~3年目 中途のアナリスト       600~700万円ぐらい ※第二新卒、社歴浅い非MBA等 新卒で昇進したコンサルタント 800~1200万円ぐらい 中途の非MBAコンサルタント 800~1000万円ぐらい 中途MBAのコンサルタント  1000~1300万円ぐらい 一人前になったコンサルタント 1200~1400万円ぐらい ちなみに新卒アナリスト→新卒コンサルタントへの昇進速度は、1.5~3年程度が標準。昇進する確率は7割ぐらいでしょうか。取り敢えず何とか3年頑張れば、昇進出来ると思います。新卒で入って2年ぐらいで辞めると、一番損します。 <マネジャー> 高いファーム  1800万円ぐらい ※金融に強い、規模が大きい戦略系など 普通のファーム 1500万円ぐらい ※一般的な戦略系など 安いファーム  1200万円ぐらい ※非戦略、昇進が早いファームなど 新卒コンサルタントがマネジャーになる昇進速度は、2~4年という所でしょうか。だいたい昇進したらみんな辞めてしまうので、サンプル数が少ないため良くわかりません。感覚的には、新卒で入ってマネジャーになる人は1割程度、速度は5~6年という感じです。 中途コンサルタントがマネジャーになる昇進速度も同じぐらい(2~4年)ですね。確率的には3割程度でしょうか。残る7割ぐらいの人は、昇進する前に辞めてしまう気がします。 この辺りも、ファームにより・時期により差がありますので、あくまでご参考まで。 <シニア> この辺りからはセールスの成果と連動したりしますので詳しくはわかりません。だいたい安い人で2000万円弱、平均的には2000~2500万円ぐらいでしょうか。3000万円超えてると「結構高いな」と思います。大規模ファームの売れっ子パートナーなどでは、5000万円を超えるクラスの人もおられるようですが、希有です。1億円を超える人は、業界に数人居るか居ないか、というぐらいではないでしょうか。 1500万円ぐらいを、数年間コンスタントにもらいたい人はコンサル向き。 短期間でも良いので1億円以上稼ぎたい人は、投資銀行に行くことをお勧めします。